2018/11/09

薬物依存症治療、回復に向けた取り組み(施設編)

緑 施設 

薬物依存症のご家族を持つ方々にとって、そのご家族をどのように回復させていくのかは非常に重要な問題です。

依存症は、依存症の当人だけでなく家族までをも巻き込む疾患だと言われています。

身の周りに依存症当事者がいた経験をした方の中には、精神的にも肉体的にも多くの負担を抱え日々を生きていたのではないでしょうか。

依存症を専門とする回復機関は、大きく自助グループ、回復施設、病院に分けられます。

今回はその中でも「施設」に絞り、「どういったところで」「料金はいくらなのか」等、お伝えしていきます。

目次

1.依存症の回復・治療に向けた施設

薬物依存症の施設とは、薬物を依存対象とした方々が再び社会復帰できるよう、様々なサポートをしていく組織を指します。

病院や自助グループは基本的に治療がメインになります。

一方で施設の場合、治療プログラムはもちろん、生活支援(規則正しい生活を取り戻すためのプログラム等)や就労支援などでもサポートしていくという特徴が挙げられます。

病院では専門医、自助グループでは同じ依存症の問題を抱える当事者を中心に運営されています。

施設の場合、スタッフの中に元依存症患者の方もいれば、そうでない方々もいるというかたちです。

つまり、当事者目線という観点から考えると、施設というものは病院ほど「教え・教えられる」という関係がはっきりせず、自助グループほど同じ目線過ぎないという特徴があります。

必要な時は、サポート側として言うことはいうけれど、依存症当事者の目線でもまた考えながら関係を築いていく感じでしょうか。

薬物依存症の施設として有名なのは、DARCです。

ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖、中毒、依存)のA、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、センター(CENTER=施設)のCを組み合わせた略称です。

ダルクでは、薬物依存している人が「覚せい剤」「シンナー」「処方薬や向精神薬」への依存から解放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。

なお、私たちヒューマンアルバも依存症の施設というカテゴリーに分類されます。

依存症の施設ではどのようなプログラムが組まれているのか、以下の記事でもお話しています。

併せてご確認ください。

2.施設での治療法・治療期間、主な治療プログラム

施設での治療方法は、施設ごとに様々ですが、多くの施設ではミーティングやレクリエーションを導入しています。

また、アメリカ発祥の依存症プログラムであるを活用されている施設も見られます。

治療に関して、名称が違っていたり専門用語などが使用されていたりなどの理由から、何が何やら混乱してしまうかもしれません。

もちろん名称が異なる分、治療内容も変わってくるのですが、ここで覚えて頂きたいのは、どの治療方法も根本的には、「本人に依存症を自認させ、上手く依存症と付き合っていけるようにサポートしていく」内容となっています。

依存症治療では、ここで挙げているもの以外でも「認知行動療法」や「内観療法」などたくさん出てきますが、基本は似たものと認識して頂いても十分かと思います。

どの施設でも、依存症当事者が「生きやすく」生きていけるようにに様々なサポートをする。

具体的にはミーティングや「認知行動療法」等の心理療法などのプログラムに参加することで依存症になる前からの苦しさ、寂しさなどのモヤモヤした気持ちを解消していきます。

治療期間に関してはこれも施設ごとに様々ですが、「早ければ3か月、長ければ2年」というスパンでプログラムを提供している組織が大半です。

3.薬物依存症の治療にかかる費用の目安

治療の料金体系については施設ごと、また対象者ごとに変動してしまうのが実情です。

私たちヒューマンアルバの場合は、依存症回復プログラムを通所として受ける場合はおよそ月に9300円~37200円の範囲で提供し、入居の場合は必要に応じて実費負担という形式になっています。

(生活保護受給の場合はまた費用は変動します。)

詳しい料金体系は電話やメールでも受け付けております。

ぜひ一度お問い合わせください。

4.施設治療が向いている人・いない人

依存症 施設 

依存症の治療の上で、治療機関ごとに向き不向きはあるのでしょうか。

依存症の治療生活では、他の依存症当事者の方や治療スタッフの方とのコミュニケーションをとっていきます。

そのため治療機関の向き不向きというものは、依存症ご本人様にとってどのような人間関係が合っているのかによって話は変わってくると思われます。

例えば、同じ目線でフラットな関係性を通して依存症からの脱却を望むのであれば自助グループがおすすめです。

専門家の立場からアドバイスやサポートを受けたいのであれば依存症を専門とする医療機関が適しているかと思います。

私たちのような「施設」に関して言えば、治療プログラムを元依存症者であるスタッフから提供しているので、自助グループと医療機関の間という立ち位置でしょうか。

これらのことを考慮しながら、ご自身(ご家族)にはどの施設が適しているのか検討してみて下さい。

5.まとめ

今回は薬物依存症の施設について、施設の概要やプログラム内容等についてお伝えしていきました。

内容を簡単にまとめると以下のようになります。

  • ①薬物依存症の回復施設は、依存症からの回復はもちろん、対象者の社会復帰を目指し運営されている。
  • ②施設でのプログラム期間は3ヵ月から2年ほど。
  • ③施設の向き不向きは、自分達が何を望んでいるかによって変わる。

この記事だけでは、まだまだご不明な点等あるかと思います。

私たちの施設では、薬物依存症含め、アルコール依存症、ゲーム依存症など様々な依存症に関する相談窓口を開いております。

無料で受け付けておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせはこちらから↓

社名: 株式会社ヒューマンアルバ

住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7

TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

・つらい思いを吐き出す場として

・状況を変えていく学びの場として

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

ご家族の薬物問題でお困りの方へ 厚生労働省

・和田清 『薬物依存の脳内メカニズム』(2010)講談社

増井麻依子, 河野由理, 森雅美 『回復者主導型の薬物依存症回復施設に向けた新 しい回復支援策の立案に関する研究』(2005)名古屋市立大学看護学部紀要

増井麻依子, 河野由理, 森雅美 『回復者主導型の薬物依存症回復施設 (DARC)を巡る研究の動向』(2008)大阪市大『創造都市研究』第4巻第 1号

ライター名: ブランコ先生